9/18

”波紋と螺旋とフィボナッチ”(近藤滋著)の4章から6章を読む。

ここでの話題はシマウマの縞模様、ゼブラフィッシュの縞模様、キリンの皮膚模様、指紋。

これらの模様はどのようにして形成されるのか?

 

「体の模様は波である」

そう考えたのは天才数学者アラン・チューリング。

コンピューターの原理(チューリング・マシン)を作ったとされ、

第2次世界大戦時のドイツ軍の暗号(エニグマ)を解読した英雄である。

(詳しくは映画”イミテーション・ゲーム”サイモン・シン著の”暗号解読”をどうぞ)

都市伝説的な話ではアップルの林檎マークの由来にも登場する人物。

(彼が亡くなった時、傍に”かじられた林檎”があった。自殺か他殺かは不明)

 

チューリングは連立偏微分方程式(反応拡散方程式と呼ばれる)を解き、

このパラメータの値を適当に定めれば波のパターンが生じることを示した。

この原理で出来る波はチューリング波(チューリング・パターン)と呼ばれる。

初期状態やパラーメータの値次第で様々な模様が生じる。

シマウマのような縞模様も、キリンの皮膚のような模様も。

原理的にはポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックの相互作用のようだ。

後年の複雑性の科学に通じる考え方なのかもしれない。

 

波ということは動物の模様も動くのだろうか?

この本の著者はタテジマキンチャクダイを観察し、

成長過程で模様が実際に動くことを確認し、

ネイチャーという雑誌で論文を発表しているとのこと。

 

ご興味のある方は下の動画をどうぞ!