9/8 3つの設計道具

” 3つの設計道具 “

 

やっと投稿の日付に投稿内容の日付が追いついた・・・

またすぐ遅れてしまうと思うけど。

ここのところ本の紹介ばかりだったので、

仕事をしていないのではと思われても困るので、

たまには仕事の話を・・・

 

夕方H建設のSさんから”工房のある家”の修正見積がメールで届く。

今夜中に内容をチェックしなければならない。

明日と明後日の午前中、

Sさんが下請け業者さんと打ち合わせをすると聞き、

半ば強引に私も参加させていただくことにしたので・・・

 

”ちっちゃなガレージ”のTさんからメールを頂く。

内装のイメージについて参考写真とともに送ってくれた。

ちょうど内装について悩んでいたところなので助かる。

こうして言葉(メール)でやり取りしているうちに、

自分なりの考えがまとまってくる時もある。

 

私が設計する際に道具にしているものは3つある。

図面、模型、言葉、

の3つである。

この3つを同時に走らせて、

図面や模型で行き詰まったら言葉で考え、

言葉で行き詰まったら模型で考え、

というように、

いわば3つの追いかけっこ状態が私の設計スタイルである。

設計中は必ず1度や2度は行き詰まる。

1週間や下手したらひと月の間も行き詰まったままの時もある。

そんな中ほんのちょっとしたことがきっかけで、

ブレークスルーが起きて先の3つが1つに収束していく・・・

この時が設計の仕事をしていてよかったな、

と素直に思える瞬間のひとつである。

(その日は飲む!)

そこに到るまでは、

この仕事向いてないな、

今度こそこの設計はまとまらないのかもしれないな、

これが私の最後の設計の仕事になるかもな、

と悶々と思うだけの不安と苦痛の連続であったりするのだが・・・

 

独立し始めは図面と模型の2つが主な設計の道具だったが、

この2つだけだと同時に行き詰まってしまうことも多々あった。

途中から言葉で考える方法を加えた。

いつの時でも、

図面、模型、言葉のうちどれか1つ、

少しでも先頭を走って引っ張ってくれればよいと考えると少しは気が楽になる。

前々回に紹介した”福岡ハカセの本棚”(福岡伸一著)に次の文があった。

『もしも2つの力が拮抗すれば、均衡と同時に、対立が生まれるかもしれない。しかし、3つの力がせめぎ合う、あるいは3方向から引き合うとき、そこに生まれるのは回転です。』

これを読んで、

自分が図面、模型、言葉の3つを設計道具にし続けられている理由が分かった気がする。

 

最近の基本設計では、

模型>言葉>>図面

の比重になってきた。

”工房のある家”の基本設計ではほとんど図面らしい図面は描いていない。

概念図のみである。

(でもこの概念図が設計の骨格でもある)

模型を作りながら頭の中ではおおまかなプラン(平面図)も想定してはいるが、

平面図を描くのは本当に最終段階だけで、

寸法的にきちんと納まるかの確認程度である。

ある意味私はあまり図面を信用していないのかもしれない。

図面では良く思えても模型にしたら全然ダメということも経験的に多々あったので・・・

工事の際の伝達道具としては図面は必要なのだけど。

だからどんどん模型ばかりが増えていき、

置場に困っています・・・

 

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