あいまいな境界

あいまいな境界

以前、ある新築住宅の庭先に植える樹を探しに行った時のこと。
畑まで案内してくれた植木職人さんからこんな話を聞いた。
「肥沃な土1グラムには1億匹の微生物がいる。」

それ以来、街中を歩いていても、
街路樹の植え込みやそれまであった建物が壊されて土があらわになった空地、
アスファルトのひびからのぞく土などを見ると、
時折この話を思い出すことがある。
そこの土1グラムには何匹の微生物がいるのだろう?
たとえ1割しかいないとしても1千万匹の微生物がいることになる。
スプーンにかるく1杯ほどの土に10000000の微生物。
今自分が歩いているアスファルトの下にも
数知れない生命がうごめいているのかもしれない。

そんなことを考えていると、
土は物質なのか、それとも微小な生命の塊なのか?
その境界が曖昧になってくる。