光を透過する雲のような屋根

光を透過する雲のような屋根

 

大・小2つの庭と個室3つ、それら5つの箱を旗竿敷地のまとまった広さのある部分にばら撒くように配置し、それらの余白との関係だけでプラニングをした平屋の住宅。余白の部分は様々なプロポーションのコーナーを持ちながらもズルズルと繋がっており、そこには採光確保のため光を透過する雲のような屋根をかけて、共有スペースをまとめた。結果、家の中にさらに小さな家々が離れて建っているような建物になった。予算が大変厳しかった故、安価な素材を簡単なディテールで組み合わせながら、いかにその素材の特性を生かした表情豊かな天井に出来るかが課題であった。設計時は和風という意識は無かったが、この天井が持つどこかふっくらとした光の質感や自然光に対して敏感に変化する表情といった性質には、和風に通じるものがあるのかもしれないと考えている。

 

 

ディテール 2011年7月号 特集/現代和風 表現百科

「つくばみらいの家」

 

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