2023/03/08 ”基本設計”は面白い

”基本設計”は面白い

 

先週くらいにHPの各Projectのページに、

基本設計時のスケッチ画像を追加した。

これはその中でも印象深いもの。

このCASA  ESPIRALの検討スケッチを描き終えた時のことは、

今でも覚えている。

 

CASA  ESPIRALの、

各層のヴォリュームがらせん状に回転して積層する建物と、

それに巻き付くらせん状の外部階段、

というアイデアは小さなヴォリューム模型をいくつもいくつも作って、

辿り着いたもの。

各層のヴォリュームの隙間から、

光や敷地周辺の環境を引き込もうと考えた。

と同時にらせん状の外部階段を上り下りすることで、

敷地周辺の環境を感じながら路地を歩いているような、

そんな体験ができるものにしたかった。

これを構造的にも意匠的にもコスト的にも機能的にも同時に満たすような、

単純な構成ルールをずっと探していた。

 

このスケッチは夜中に事務所にひとり残って描いた。

何日もかかった。

そして思いついたのがこのスケッチ。

同じ大きさの壁を隙間を空けながら各階らせん状に並べる、

というたった一つのルールで、

各階のプランも、

各階のヴォリュームも、

らせん状に回転する動きのある建物になる。

各階の入口の位置も回転し、

同時に各階のプランも回転して変化していく。

外部階段もらせん状に建物に巻き付く。

建物のコア部分は4面とも市松状の壁配置になり、

構造的な合理性も確保できる。

すべて同じ大きさの壁なので、

同じコンクリートの型枠が各層で再利用できるのでローコスト化にもなる。

 

学生だった時に数学の図形の問題で、

補助線を一本引いただけですべてが解決できた時のような、

そんな感覚。

その補助線が、先のたった一つの単純なルール。

こんな感覚を味わえるから、

基本設計はとても苦しい作業でもあるけど、

すごく面白い。

 

 

参考リンク

2023/02/17 ”住宅設計、基本設計”の流れについて

20230120 基本設計について

設計の流れ その3 ”住宅設計、基本設計”について

 

設計から竣工までの”家づくり”の流れをまとめたページを作成しました。

設計事務所 / 建築家 との”家づくりの流れ”

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