”波紋と螺旋とフィボナッチ”(近藤滋著)の4章から6章を読む。
ここでの話題はシマウマの縞模様、ゼブラフィッシュの縞模様、キリンの皮膚模様、指紋。
これらの模様はどのようにして形成されるのか?
「体の模様は波である」
そう考えたのは天才数学者アラン・チューリング。
コンピューターの原理(チューリング・マシン)を作ったとされ、
第2次世界大戦時のドイツ軍の暗号(エニグマ)を解読した英雄である。
(詳しくは映画”イミテーション・ゲーム”やサイモン・シン著の”暗号解読”をどうぞ)
都市伝説的な話ではアップルの林檎マークの由来にも登場する人物。
(彼が亡くなった時、傍に”かじられた林檎”があった。自殺か他殺かは不明)
チューリングは連立偏微分方程式(反応拡散方程式と呼ばれる)を解き、
このパラメータの値を適当に定めれば波のパターンが生じることを示した。
この原理で出来る波はチューリング波(チューリング・パターン)と呼ばれる。
初期状態やパラーメータの値次第で様々な模様が生じる。
シマウマのような縞模様も、キリンの皮膚のような模様も。
原理的にはポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックの相互作用のようだ。
後年の複雑性の科学に通じる考え方なのかもしれない。
波ということは動物の模様も動くのだろうか?
この本の著者はタテジマキンチャクダイを観察し、
成長過程で模様が実際に動くことを確認し、
ネイチャーという雑誌で論文を発表しているとのこと。
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