9/26

昨夜も”かたち”(フィリップ・ボール著)を読む。

第4章のタイトルは、体に書かれたもの。

つまり動物や魚、貝殻、テントウムシ、蝶や蛾などの模様について。

 

例えばシマウマにはなぜ縞模様があるのか?という問いには、

とりあえずダーウィンの進化論的な答え方もできる。

その縞模様が有用で適応できたから自然選択で生き残れた、と。

でも本当だろうか?

他の考えうるありとあらゆる模様を試したうえで、

その結果として縞模様になったのだろうか?

進化論はなかなか実証(実験)できるものではないので、

「とにかくそうなのだ」論にも聞こえてしまう。

ダーシー・トムソンの考え方は違った。

パターン(模様)はおのずと形づくられるのかもしれない、そう考えた。

つまりシマウマにはどのようにして縞模様が出来るのか、を考えようとした。

ここで登場するのが天才数学者アラン・チューリング。

(9/18のBlogでも触れたのでここでは説明は略)

この本ではチューリングの反応拡散方程式の考え方で、

学者たちが縞模様やキリンのぶち模様、ヒョウやジャガーのバラ状斑紋を、

コンピュータ・シミュレーションや化学反応で再現しようとし、

成功した例が多く紹介されている。

動物の皮膚をキャンバスとすると、

このキャンバスの大きさや形にも左右されるはずだが、

例えば動物の尻尾部分に見られる模様の出来方の違いも説明がつくらしい。

ということは、さまざまな動物にみられる多様な模様は、

「同じ主題(チューリングの反応拡散方程式)のさまざまな変奏」なのだろうか?

まだ結論は出ていないようだが、

「実際に模様がこのようにつくられているかもしれないし、そうではないかもしれないが、そうでありうるのは確かなのだ」

 

逆の見方をすると、

動物の模様はありとあらゆる模様を試した結果ではなく、

チューリング・モデルのようなある化学反応に縛られている、

とも考えることができる。

(大雑把に言うと動物の模様は縞模様とぶち模様に分けられる)

単純なルールから多様な形やパターンが現れうるということ。

そしてこれは、

”クラスター・ハウス””CASA  ESPIRAL”の設計時に考えていたこと。

またいつか、

この2つとは違ったルールで挑戦してみたい・・・

 

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ジャズ・サックス奏者のファラオ・サンダースが9/24に亡くなったとのニュース。

合掌。

今晩は昔LPで持っていたこれを聴きながら仕事をしよう。

“You’ve Got To Have Freedom”(自由は獲得しなければならない)

と絶叫するサックスで始まります・・・