”かたち”(フィリップ・ボール著)は面白いのだが、
集中力をもって読まないといけないのでちょっと疲れる。
なので気分転換に坂口安吾の本をひろい読み。
玄人の碁打と素人の碁打とどこが違うかと言えば、
玄人も素人も同じくらい練習し同じ生活をしているのだが、
ただ玄人は、三面記事を読んでも相撲を見ても料理を食っても、
それを常に碁に結びつけて考える。
生活のすべてを碁に結びつけて考えている。
それだけが玄人と素人の違うところだ。
~ 『坂口安吾全集14』 「大井広介という男」より ちくま文庫 ~
坂口安吾には『堕落論』や『日本文化私観』、
『不良少年とキリスト』『桜の森の満開の下』『教祖の文学』など、
有名で優れたエッセイや小説もあるが、
気づけば年に1度ほど本棚から取り出して、
戒めのようにこれを読んでいる。
(上の画像のカバーデザインは横尾忠則さん)