天を測る

“天測(てんそく)”という言葉があります。
それは海のことば。
海上の闇に浮かぶ天体の位置を測定することで、自分が今、
地球上の何処にいるかを計測する手段が天測です。
かつての航海者にとって必要不可欠な航海術でした。

天測には大まかに3つの技術が必要とされています。
1つは、どれが何という星かを識別、判断する技術。
次は水平線から天体までの角度を精確に測る技術。
最後に、これらの情報から自分自身の位置を計算から求める技術。
この三つの技術のうち、1つでも欠けていると自分の位置は測定できない。
“天測”とはつまり、“天を測る”ことで“自分自身を測る”ことである、そうとも言えます。

天測の精度を高めるためには、星々の間に交点となる線をどれだけ多く引くことが
出来るか、つまり、同時にどれだけ多くの星を観測できるのかがポイントとなるように、
このブログでは建築はもちろん、それ以外の世界にも多く触れることで、
“周縁から建築を考えてみる”、それがテーマです。

(上の写真は、ガンジス河が海に出会う聖地・ガンガサガル(インド)にて撮影したもの)