“つくばみらいの家”軸組

上の写真は
一昨日に上棟を終えた“つくばみらいの家”の軸組。

この建物は平屋なのですが、
天井の高さは3640mmと高めに設定されています。
1階建ての建物にしては高いが2階建て(の吹き抜けなど)にしては低い、
というちょっと変わったプロポーションをしています。
この天井高さにはいくつかの理由があるのですが、
1.合板の規格サイズ(910*1820)による経済寸法であること。
2.暖炉が置かれること。(煙突の高さ、気積など)
3.室内風景
4.旗竿敷地ゆえの採光方法
が主な理由です。

3の室内風景にはその中にいくつもの要素が含まれているのですが、
そのひとつには“距離”があります。
例えば、ひとつの住宅の中で16M離れて人が立っているとします。
これは国内の住宅ではなかなか珍しい距離感、という意味です。
“つくばみらいの家”では様々な方向に、
いくつかのレベル差も交えながら、
10M以上視線を遠くまで飛ばすポイントが複数設定されています。
(そのうち最も長いのが16M程度)
この距離感の演出にはいろいろな効果があるのですが、
ただ天井の高さについては、
これらの視線の距離に対しては通常の天井高さ(2.400~2700mm程度)よりも、
3640mmという高めの天井高さの方がバランスが良い、
というのが理由のひとつです。

4の旗竿敷地ゆえの採光方法については、
この建物は上(つまり屋根面)からの採光を主としています。
(壁にもいくつか開口部はあるのですが、主に換気のためのものです。)
つまり中庭とトップライトがそうなのですが、
この建物にはたくさんの(本当にたくさんの!)トップライトがつくことになるのですが、
夏などの暑い時期に備えて、
この高い天井高さを利用し、
人が立った時の高さよりも上部に熱気だまりを設け、
高窓で熱気を逃がすよう配慮されています。

詳しくは又現場の進行に合わせて後日、
このブログで説明させていただきます。