工房のある家 ~ ”都心に建つRC造の狭小住宅”

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都心に建つRC造の狭小住宅 (7枚のキャンチスラブで出来る自然豊かな家)

お施主さんのご要望は自然豊かで、
絵を描いたりピアノを弾いたりする工房が中心の家。
そして出来たらRC造(鉄筋コンクリート)の家。
敷地はいわゆる狭小の変形敷地で、
しかも道路斜線や高度斜線が東側の一辺を除いてほぼ全方位からかかる。
床面積を確保するためには平面が変形になるゆえ、
屋根はシンプルにフラットルーフの建物にすると2階建てが限界の敷地である。
今回は単管による簡易土留めでギリギリ可能な深さ、
かつ、キッチンの自然排水がギリギリ可能な深さまで掘って1Fを半地下にし、
最小限の階高(階高2.1m~2.35m)設定にして3階建てにしている。
この低い階高では室内にRCの梁は作れない(頭をぶつける高さになる)ので、
床と屋根はすべてキャンチスラブ(片持ち)にしている。
こうすることで室内は梁も柱もない開放的な空間が可能となっている。
建物中心にはパースのかかった3層吹き抜け空間があり、
ここは前面道路から敷地の奥の隣家の隙間と連続する空間でもある。
この吹き抜け空間の上をすべてトップライトにすることで、
太陽の光は半地下の1Fまで降り注ぐ。
この吹き抜け空間の一番下には片持ちのコンクリート製の大きなテーブルがあり、
ここがこの家の中心、工房となる。
大きなテーブルの脇には大きな樹があり、ピアノがあり、3層分の高さがある本棚がある。
この吹き抜け空間は半屋外空間であり、路上のような空間である。
この住宅は小さな工房であり、小さな図書館であり、小さなピアノホールでもある、
そんなお家である。
Blogカテゴリー”工房のある家” で工事の進行状況を読むことが出来ます。

DATA
所在地:東京都豊島区
敷地面積:43.66㎡
述床面積:70.75㎡
構造:RC造
規模:地上3階
建築施工:本間建設
竣工年:2023年予定