”王子の家”について、
本当に2階建てですか?3階建てに見えるのですが?
というお問い合わせがありました。
たしかに吹き抜け部分に階段が2本あるので3階建てのように見えますが、
建築基準法上では2階建ての建物という扱いになっています。
上の画像は基本設計時のスケッチ。
右下の図は吹き抜けの隣にある建物部分の断面図ですが、
(上の写真では吹き抜けの右側の建物部分にあたります)
階数に含めない小屋裏収納等の扱いの空間(ピンク色の部分)を、
最下層と最上層に対角線上の位置に配置することで、
スキップフロアの建物としています。
居室の天井高さは法規上最低限の2.1m、
小屋裏収納等の扱いの部屋の天井高さは法規上最大限の1.4m、
2.1m-1.4m=0.7mとなり、
これは机の高さとしてちょうどいい寸法。
この高さ関係を基準に断面設計をしています。
ここでは詳しい説明を省きますが、
小屋裏収納等の扱いの空間には1.4m以下という天井高さの制限のほかに、
面積制限もあるので、
そのあたりも含めて慎重に全体の中での面積配分を計画する必要があります。
前面道路からの延長部分は出来るだけ大きな吹抜のあるトンネル状の空間にしたい。
その分、残りの半分部分は出来るだけ収納等も余裕のある計画にしたいが、
斜線制限等の理由で3階建ては厳しい。
そんななか思いついたアイデアが上のスケッチです。
(このアイデアを思いついた時はとて嬉しかった!!)
天井高さ1.4mの小屋裏収納等の部分は納戸やクローゼットにしています。
しかもスキップフロアにできるので、
通常の2階建てよりも様々な高さに床が出来、
様々な視線の高さで樹を眺めることができます。
その結果として、
3階建てのように見えるけど実は2階建ての建物、
というちょっと不思議な建物になっています。
上のスケッチとは異なりますが、
短手方向の断面図があるので、
参考までに、
”王子の家”のProjectページにその断面図を追加しました。
もしよろしければご覧ください。
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