今迄設計してきた建物にはほとんどトップライトがある。
中でも特殊なのが”中目黒の家”のトップライト。
このトップライトは建物のほぼ中央、
1階のダイニングテーブルの上にある。
このトップライトの吹抜部分を通じてのみ、
2階の主寝室と子供室そして1FのLDKが空間的つながりを持つ。
2階の主寝室と子供室の吹抜に面した面は全開できる折戸になっている。
折戸を開放すれば主寝室と子供室が吹抜を介して繋がり、
両室からトップライト越しに空を見たり1Fを見下ろしたりできる。
ここにひと工夫を加えて、
それらの部屋同士にこの家ならではの距離感を作ろうと考え、
吹抜に面する壁や建具には鏡面のステンレスシートを貼った。
この吹抜には視線の角度によって空や雲、
向かい側のマンションなどが少し歪んだかたちで映り込む。
さらにその中に上や下の空間、
そして向こう側の空間が浮かび上がり、
方向感覚や距離感が失われ、
外部の風景と室内の風景が混ざり合った状態になる。
※このページの写真の撮影は全て 新建築社によるものです。
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