2023/02/10 ”工房のある家”パネル割

ここ2~3日は”工房のある家”の縦方向のパネル継ぎ目について、

お施主さんとやり取りを重ねる。

そして今日にイメージの共有が出来て案が決まった。

横方向のパネル割はすでに決めてあった。

出来るだけ内外において再利用が効く寸法になるよう決めてあった。

 

型枠屋さんで中古の在庫がある型枠が幅600mmのものなので、

今回は始めからこの中古の型枠を使う。

つまり既に他の建物で使用した型枠を使う。

なのでその時のセパレーターの穴などが残っていたり、

型枠の長さが違っていたりする。

 

今回の建物は道路側の立面しか見えないので、

この立面において私の方で提示したのは4つの案。

始めは違う案をお施主さんは気に入ったようだが、

最終的には私の方で最も良いと思っていた案に決まった。

それが上の画像。

これはあくまでもイメージで現場では異なる。

 

私の方で良いと考えていた案は中古の型枠ならではの案。

つまり中古の型枠ゆえ長さ寸法が違うので、

それをそのまま見せようとした案。

縦方向のパネル目地がランダムに入る案である。

 

新品の型枠を使ってパネル目地をランダムに入れるのは意図的過ぎるが、

中古の型枠ではむしろその方が自然だし、

中古の型枠ならではのものと考えた。

お施主さんにもご理解いただけた。

 

一度決まりかけた案が上の画像。

落ち着きのある案だが、

中古の型枠を使うのに、

正面の立面だけ縦方向のパネル継ぎ目を梁両端だけに、

きれいに整理するのはかえって意図的過ぎると感じた。

他の立面は中古の型枠ゆえ縦方向のパネル継ぎ目はどうしてもランダムに入るので。

新品の型枠をつくるならきっとこの案でいいのかもしれない。

他の立面もきれいにそろえることも出来るので。

けど当たり前すぎる案なのが欠点。

 

お施主さんはCASA ESPIRALの打放コンクリートをイメージされていたようだ。

CASA ESPIRALでは1階分の型枠を新品で作った。

その型枠を2~5階で再利用した。

なのでパネル割もPコンの位置もすべて設計通り。

と言うかそう出来るように当初から設計した建物なので、

階高や壁の幅や開口部の大きさを揃えている。

けど建物外観も内部のプランも複雑になっているというのがコンセプトだった。

 

今回は始めから中古の型枠を使うので、

パネル割は全てをコントロールすることが出来ない。

そのことをお施主さんにもご理解いただけて最終案が決まった。

この辺りの説明は実は結構難しいのだが、

お施主さんご夫婦は建築のお仕事をされている方なので、

すんなりとご理解いただけて良かった。