昨日本棚を整理していたら懐かしいものが出てきた。
インドを旅行していた時に使っていたスケッチブックである。
時間に余裕のある旅行の時は出来るだけ、
スケッチブックを持ち歩くよう心掛けている。
理由は建築の勉強の為という建前が半分、
そして自分の旅行を少しでも正当化したいという本音が半分。
旅行中は正直、
スケッチは面倒に思う時がある。
写真を撮るのとは違って多少時間がかかるし、
特にインドでは暑くてスケッチをするだけで体力が消耗する。
さらに、スケッチをしていると、
好奇心の塊のようなインドの人達にすぐ囲まれ、
言葉が通じないこともお構いナシに、
どんどん話しかけてくる。
でも良いこともある。
スケッチをしていると、
写真を撮るだけでは気づかなかったことに気づき、
それまで見えてなかったものが見えてくることがある。
スケッチは面倒に思う時もあるが、
スケッチをしないと本当のところ自分は何も見ていなかったのではといった、
そんな後ろめたさがまといついて離れない。
旅行中このふたつの思いにいつも悩まされながら、
スケッチをすることになる。
どんなに大きな建物だって、
設計はフリーハンドのスケッチからすべてが始まる、
そう自分に言い聞かせながら。