今日は土曜日ということもあって、
建築とは関係の無い話を・・・。
もう一度行きたいと思わせる土地があると同時に、
もう一度通りたいという道もいくつかある。
イランの土漠の中の道、
そして上の写真のような北パキスタンのカラコルム・ハイウェー。
(パキスタンから中国に陸路で行く際は、
必ずこの山々を縫う道を通ることになる。)
イランの街々は基本的にオアシス都市であるから、
バスに乗って数十分も経てば、
見渡す限り地平線しかない、
土漠の中の一本道をただひたすら走ることになる。
時にはその一本道の先の地平線に沈む夕陽に向かって、
自分の乗るバスが走っていることもあったりして、
その時の光景は今でも眼に焼きついている。
カラコルム・ハイウェーで乗ったバスの車体には、
なんと“HINO”という見慣れたプレートがあった。
かなり古い型の日本車をデコレーションしたのだろう。
ただ上の写真にあるように、
原型の姿をとどめぬほど、
これでもか!というくらいに派手にデコレーションされていた。
(イランなどに見られるモスクのモザイクタイルの貼られ方といい、
どうもイスラムの人々は装飾で埋め尽くす習性があるような気がする。)
車中には大音量のパキスタン音楽が響き、
そしてやはり大音量で派手なクラクションを意味もなく鳴らしながら、
舗装されているのかされていないのか分からないような道を、
車体を大きく揺らしながら、
丸一日以上ただひたすら走ってゆく。
車体とともに大きく体を揺らしながら外を見ていると、
一瞬、とてつもなく美しい景色が何度かバスの窓を通り過ぎた。
もう一度戻ってその景色を見たいと思いつつも、
バスは蛇行する道をただひたすらに走り続ける。
一年に一度は決まって無性に旅行に行きたいという思いが疼くのだが、
その時決まってこのカラコルム・ハイウェーで見た景色が、
頭をよぎる。