2023/07/17 ”空隙の家”Pコン

Pコンとは、

コンクリートの壁の厚さを調整し、

型枠を固定するのに欠かせない部品。

打放コンクリートの壁に丸い穴が等間隔のピッチであるが、

それがPコンの跡。

 

上の写真の左側が一般的に多く使われているPコンで直径が30mmのもの。

”空隙の家”の室内では右側の直径20mmの小さいものを使った。

直径で20mm/30mm=0.666%なので、

面積的には0.666の2乗の0.444、

つまり半分以下になる。

小さいPコンがあることは型枠大工の加藤さんに教えていただいた。

”空隙の家”はいわゆる狭小住宅なので、

通常よりも小さいPコンを使うことで視覚的効果もあるのではと思い、

右側の直径20mmのPコンを採用した。

 

 

確かに通常の大きさのPコン跡に比べてあまり目立たないと思う。

”空隙の家”では中古の型枠を再利用しており、

型枠の割付もランダムで、

すこし荒々しいコンクリートの表情になっているのだが、

Pコンの跡が余り邪魔になっていない。

外部の壁は直径30mmの一般的な大きさのものを使ったが、

コンクリートの壁面合わせにしてPコンの穴をモルタルで穴埋めをしているので、

Pコン跡が目立たなくなって、

よりコンクリートのすこし荒々しい表情が前面に出ていると思う。

建物の大きさや目指すコンクリートの表情によって、

Pコンの大きさや穴埋めの仕方を工夫するのも大事かもしれない。