今日は朝早くから埼玉県越谷に行き、
”空隙の家”のお施主さんである奥さん、
本間建設の鎌田さん、
サンエー緑化の中島さんたちと、
シマトネリコの樹と階段一段目の踏石を探す。
あらかじめサンエー緑化さんには、
高さ4.5m程のシマトネリコの樹を探して頂いていたので、
畑に行ってちょうどよい高さのものを5~6本見せていただく。
どの樹にするか迷ったが、
お施主さんとも相談して上の写真の赤丸のものに決める。
赤丸の右のものも樹形が素直で綺麗だったが、
見る方向によっての樹形の変化が乏しい。
赤丸のものは今回の家には少し大きめで、
樹形が横にちょっと広がり気味だが、
見る方向によって樹形の変化があるのが決め手になった。
今回のお家では、
色々な方向から、
色々な高さから、
樹を見れるようになっているので、
その点を重要視して決めた。
居間でもある工房から他の階の部屋に行く時は、
あえてこのお家のシンボルツリーである、
シマトネリコの樹の下に置かれた踏石を踏んでから、
階段を昇っていく設計にしてある。
工房の空間に入る時も、
この踏石を踏んで入ることになる。
そうすることで、
工房がこの家の中でも特別な空間であることを、
見た目にも身体的運動でも感じらることができたらと考えた次第。
その踏石も今日探した。
サンエー緑化さんに石材屋さんを紹介してもらい連れて行ってもらう。
ちょうど良さそうなものが石が積み重ねられている山の中から見つかった。
決して上等な石ではなく素朴で自然な形の石。
色合いはコンクリートに合うグレーで、
少し鉄分のさび色が入っている。
樹はとても大事なので、
必ず現物を見せてもらってから、
どの樹にするかを決めるようにしている。
”空隙の家”には内装らしい内装仕上げはない。
(RC造の建物は構造躯体をそのまま仕上としても扱えるのが他の構造との違いで、
そこがRC造の大きな魅力だと思う)
コンクリートと鉄とガラス、
あとは本棚や建具のラワン材くらいで、
とても無骨で素っ気ない建物だ。
そこに樹を一本植えるだけで、
室内風景はガラッと変わる。
ある意味、
樹はとても効果的な仕上げ材のひとつなのだ。
だから減額調整のときも、
樹だけは決して高さを低いものに変更して減額したり、
ましてや無くすようなことは考えなかった。
今週の土曜日にシマトネリコの樹と踏石が現場に搬入される予定。
建物の雰囲気もガラッと変わって、
柔らかさや奥行き感も感じられるようになってくると思う。
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